厳しい練習にこそ意味がある

卓球というスポーツの一番不思議なところかもしれません。

卓球の試合でのラリーはトップ選手であっても、そこまで多くのラリーを続ける事はありません。

何でも良いのですが、ローアングルからの良い動画がありましたので、こちらを参考に見てみたいと思います。


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これは、世界卓球2019 男子シングルス準々決勝 馬龍 vs 林高遠 の一戦ですね。

 

「1」と表記したところは、サービスエースになります。後はラリー回数をプロットしてみた結果が以下となります。

1セット目 2,4,3,1,1,3,4,3,5,6,5,5,5,2,1,4,1,7,3

2セット目 1,4,3,3,2,3,8,4,2,2,2,4,13,3,3,4,10,1,7,2

3セット目 3,4,3,1,4,4,2,4,2,12,2,3,5,1,4,3,9,2,1

4セット目 5,3,3,2,2,3,2,6,1,7,2,2,2,4,2

 

これを見て頂ければ分かる通り、急いで計算したので少し間違っているかもしれませんが、計算上では261ラリー、73得点で1得点あたりのラリー数は3.6ラリーとなります。

勿論、これが全てでは無く、カットマン同士等、攻めない選手同士の試合では長引くケースがありますが、攻撃マン同士の試合ですとこんなものなのです。

今回、何が言いたいかと言うと、試合で勝つための練習に関しては、ラリーを続ける必要は無く、相手の嫌がるところに先にガンガン攻めて得点を重ねていくのが重要という事です。

では、何故、トップ選手はラリーを続ける練習を取り入れているのだと思いますか?

それは、フォームを安定させるためであったり、フィーリングを良くしたり、動きながらランダムに来る打球に対して速い打球で打ち返せるようにしていくためなのです。

多球練習で色んなところに動いてランダム性のボールに対して速い打球が出来るようになった後、対人練習に移って試合形式をやっていればラリーはほとんど続きません。それだとフォームが固まる事が無く、ずっと下手なままになってしまいますよね。

しかし、ランダム性の返球を多くしていくと、その分、ミスも増えたり、強い打球が出来なくなってしまったりします。


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試合の中では強くなればなるほど、厳しいコースに相手は打ってきます。卓球はメンタルのスポーツと呼ばれるほど、相手の心理を読み、相手の思いもしないリズム、回転、スピード、高さ、コースに打ち分け、時にはフェイントも入れてくるケースがあります。

こういった相手に強打されないように、先に攻めれるようにする必要がある試合の中で、簡単に強打出来る返球はほとんど返って来ないと言っても過言ではありません。

では、どういうった練習をすれば良いのでしょうか。勿論、フォーム、動き方、威力、安定性等、全てを兼ね備えており、これ以上、強くなる必要がない選手であれば試合だけし続ければ、色んなレシーブにも対処出来るようになっていきますし、相手から打たれない方法や、先に攻める方法、勝ちパターン等を次々に身に付ける事が出来ますので、それだけで更に世界のトップに進めるかもしれません。

しかし、私がここでお話したい事は、あくまで初心者・中級者へのアドバイスです。

初心者はまずはワンコースでフォームをきれいにしてから正しいフットワークを覚えて、中級者にステップアップ、中級者になればランダム性の打球に対する反応速度を上げて速い打球を打ち続ける事や、レシーブで得点に繋がったり、相手に強打されないような返球方法を学んでいく必要がありますが、段々と、その反応速度を早めて自分の限界を突破する事、効率的に動作を連動させて無駄な動きをそぎ落としていく事、逆を突かれたとしても相手に強打されないような対処方法を身に付ける事、足を動かして先に強打出来る感覚をどんどん身に付けていく事が必要となってきます。

こういう動きを学ぶには、足腰の強さや体の使い方等を、何度も反復練習をして覚えていく必要があるのです。

つまり、フットワーク練習をするならば、フォームが安定してきたら、段々とその移動距離を広げていったり、スピードやピッチを上げていったり、回転量を増やしていったり、小さいフォームで回転量・スピードが強い打球を打てるようにしたりと練習の中でやれる事は本当に数多くあります。

単純に入る練習だけを続けていても、自分の限界を突破し体勢を崩さず打ち続ける練習をひたすら色んな場面を想定して練習をしていく事こそが強くなる秘けつです。

何も考えずに楽しく笑顔で卓球の練習をしていても強くなれるはずがありません。練習の時は真剣にへとへとになるまで動き続けて、それでも強い打球が打てるようになるまでひたすら練習を続けてみて下さい。必ず、自分の限界を超えていき、更に強い相手にもどんどん勝てるようになるはずです。

今回お話した内容については、あくまでフォームや動き方がそれなりに分かってきた方へのアドバイスとなります。

まだ動き方や打ち方が中途半端な状態でこれを行ってしまうと、一生直す事が出来ない変な癖が付いてしまいますので、しっかりとフォームを理解して徐々にステップアップする中で取り入れて頂ければと思います。

これを聞き逃すか、それともしっかりと頭に焼き付けて練習に取り組んでいくかで、大きな差が出ると思います。卓球というスポーツは特に初心者・中級者と上級者の間に大きな壁が出来てしまいます。フィジカルだけではどうしようも無く、感覚の世界のスポーツだからです。センスがあったらそれなりに強くはなれますが、やはり得点力がある選手がどうしても強くなりますし、そういう厳しい練習を積んでいる選手は上達します。

今もそういう考えで練習に取り組んでいる選手は数多くいますし、それを理解もせずにただ「頑張っている」だけでは意味がありません。

よく自分を見つめ直す良いきっかけになって貰えれば幸いです。


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